山南敬助

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藤堂から【大切な人】ができたと紹介されたのが愛で良かったと思う。 二人は本当にお似合いだ。 池田屋事件の時、自分は病に伏せっていたため屯所待機組になった。 愛が重傷の藤堂を見て取り乱した時、そしてその藤堂を献身的に看病しているのを見た時、二人のこの先が見えた気がした。 「そういえば…山南さんも、今度伊東先生の講義にいらして下さいよ!」 急な藤堂の言葉に一瞬返事に詰まる。 「あぁ…そうだね。機会があれば、私も行ってみようかな。」 穏やかに微笑めば、満足そうに頷く藤堂。 伊東の講義は尊皇攘夷を中心とした物だが、他にも様々な話を分かり易くしていると聞いた。 伊東の行動で局内が二派に別れたのは誰の目にも明らかで… かと言って、自分は伊東のような行動力もなく、土方のような決定権もない。 もはや、総長の職はお飾りに過ぎない… 最近はそんなことばかり考えていた。 「私には難しい話は良く分からないですけど…こうして穏やかな日が続いてくれたら、それで良いです。」 微笑む愛に二人で何も言えない。 【穏やか…ねぇ…】
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