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幸せそうな二人に触発された…と言ったら沖田や土方には笑われそうだが。
体調も随分良くなったため、久しぶりに島原へ行くことにした。
明里…
この京で、唯一本当の私を知っている女子…
「山南さん…本当にお久しぶりです。」
明里に酒を注いでもらい、一息に飲み干す。
「今日はどうされましたか?何だか何時もと感じが違います…」
苛々が伝わったらしい。
「今日は…か。本当の私が腹黒い男だというのは、君が一番良く知っているでしょう?」
「もう…御加減はよろしいんですか?」
ふっと溜め息をつき、優しく微笑む明里。
「君はやっぱり私が選んだ女子だ…」
明里の手を引き、懐に抱き寄せる。
「本当に…どうしたんです?」
まるで赤ん坊ですね…と鈴が転がるように笑う。
他の女子がしたならば、きっと腹が立つのだろうが…
一緒になって笑ってしまう。
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