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「山南さんはいつも澄ました顔ばっかり…そりゃその顔も素敵ですけど…疲れません?」
!!!
また随分痛い所を突いてくる。
クックッと笑いが込み上げてきた。
「ふぅ…其処まで仰るのなら、お望み通りにして差し上げますよ!」
一気に明里を押し倒す。
「あっ…」
と小さな声が聞こえた気がしたが無視した。
嫌われても良いと思った。
気遣いも優しさの欠片もない。
これの何処が【仏】なんだ…
聞いて呆れる。
明里の身体のあらゆる所を舐め、貪り、突き刺し、そして果てた…
周りに知れたら狂ったと思われるに違いない。
普段の自分からは想像もつかない乱れっぷりだ。
だが、事が終わって息を整えていると悟る。
私は【仏】なんかではない。
【仏の面を付けたもう一人の鬼】なのだ…と。
「私は、どんな貴方でも嫌いにはならない…否、なれません。貴方の全てを受け入れたいのです。」
―――――――――――
あの後、もう一度明里を抱いた。
今度は、彼女を気遣いながら…
二人同時に絶頂を迎え果てると、今まで感じたことのない開放感でいっぱいになった。
「…本当の私を知っているのは、君だけだ。」
「最高の褒め言葉です!」
明里を腕の中に抱きしめる。
幸せな夜だった…
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