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大人気ないと思われただろう。
しかし、一刻も早く部屋から追い出したい気持ちが勝ってしまった…
【仏の面】をかぶった鬼と【鬼の面】をかぶった仏…
どちらの方が良いのやら…
―――――――――――
「山南さん…今日も来て下さったんですね。」
嬉しい、と言う明里に
「他の誰かにも同じ事を言っているんだろう?」
と意地悪な言葉を吐き捨てる。
醜い嫉妬心。
「あらあら。今日も随分荒れていらっしゃること。」
そんな自分にもすっかり慣れた明里…
動じることもなく、淡々と酒を注いでくれる。
やはり自分にはこの女子しか居ないと思う。
「今晩は、泊まっていかれますよね?」
これも決まり文句みたいな物だ。
こんな時、決まって自分は明里を抱く。
そして、そんな自分を明里は優しく包み込む。
「あぁっ…山南さんっ…!」
自分の与える刺激に面白いように反応する明里。
こんな時にまで妙に冷静な自分は、やはり仏の面をかぶった鬼だな…
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