IDENTITY

7/9
前へ
/32ページ
次へ
私は特にお金に困ったことはなかったが、 欲しいものを欲しいと思うことに関して、 物への欲望が、 物欲が非常に強かった。 ある日のことだが、 とても好きな男の子ができた。 その子はハンサムで、 お話も面白く、 跳び箱を飛ぶのが上手だった。 昼食を食べているとき、 彼が私のとなりに男の子達と座ってきた。 私は、 盗み聞きするつもりはなかったが、 好きな男の子の声を聴きたい、 と自分に言い聞かせ、 昼食を食べるふりをして、 男子の話しに耳を向けた。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

125人が本棚に入れています
本棚に追加