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孵る場所
…昨日のことをココロの中で反芻する
ラーメン屋での顛末のあたりで笑えてきて、涙は止まって、
立ち上がってメイクを直した。
此処に居る マネージャーの高崎以外の誰にも 自分が男である事を知られてはいけないから。
―コンコンッ
ドアをノックする音
「高崎です。帰り支度は済みましたか?」
声を出せないから、返事の代わりにカギを開ける
駐車場について、車に乗り込んでからやっと― 声を出せる
「高崎さん。 仕事って、まだ入ってるんですか?」
「いえ、まだ暫くは大丈夫ですよ。社長があらかた断っていますので。」
その返答に
ホッと胸を撫で下ろす
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