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君が
僕の世界を広げた――
「三橋!」
「ひゃっ!」
背中を叩かれてビクンとしてしまった。
今日の阿部は機嫌がいいのか、笑っていた。
「そんなにビビんなよ」
「あ、阿部くん…」
それだけで胸がトクンとしてしまった。
「今日は調子よかったな」
「???」
頭に?マークを浮かべていると阿部にデコピンをされた。
「お前だよ、お前」
額を両手で押さえてる三橋は両目を瞬かせている。
そんな三橋が可愛くてしかたなかった。
「そ、それは…あ、あ、阿部くんのおかげだよ」
ふにゃりと笑った顔が可愛くて抱き締めたくなった。
(本当に阿部くんのおかげなんだ。阿部くんが、僕を最高の投手にしてくれるって言ったんだ。それだけで……)
三橋はグラウンドを見つめた。
(それだけで、投げられる!)
「阿部くん、ありがとう!」
ちょっと驚いた顔の阿部に笑って三橋は告げた。
狭かった世界を広げてくれた君と
いつまでも バッテリーでいたい
…‥end
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