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そんな時に入った一本の電話。 鏡に映った自分の姿が恐ろしかった。 親友が亡くなった知らせを聞いた私の顔は笑っていたから。 これでやっと彼が私の事に気が付いてくれる。 「秋元君」 通夜の席。私の声に項垂れた頭を少しだけ上げそしてまた下げた。 『私が付いてるから』 そんな思いを込めて彼の手を握ると、ビクっと反応する。 そんな顔しないで。 私の方があなたにはふさわしい。だから心配しないで。 あなたはすぐに元気になるわ。
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