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田島さんの事は心配だし、迷惑をかけたんだから本当は救急車に乗って一緒に病院に行くべきだと思う。 でも、誰が田島さんをこんな目に合わせたのか私自身が突き止めたい。 まだ他の警察の人は来ていない。 急いで部屋の中を見渡す。 何か。何か手がかりになるようなものを見つけなきゃ。 部屋には何も置いていない。 と言うか、ここもともと新田先生の部屋なんだよね? 告別式の前にどうしてここに来たの? 何か理由があって? そっとクローゼットを開けるが、そこにはスーツが数着掛けられていて普通だし、スーツケースが一つ置いてあるだけだった。 さすがにこれを開けるのはダメだろうし。 「滋」 お兄ちゃんの低い声。 「ごめんなさい。何か手がかりがないかと」 そう答えるとふぅとため息が落ちてくる。 「今連絡が入って告別式が終わってから暫くして新田先生の姿も見えなくなったらしい」 「え?」 「もしかして田島さんは新田先生と間違われたとか?」 今回の事と全然関係なく、新田先生が狙われたとしたら? この部屋に居た田島さんが間違って襲われた可能性もあるんじゃないだろうか。 「どうだろうか。 自発的に居なくなったのか、それとも誰かに連れ去られたのか、まだはっきりしないからな」 「自発的って事もあるの?」 「まぁその場合よっぽどの理由がないとだけどな」 よっぽど・・・たとえば、自分の秘書を襲った・・・とか? でも、時間的に考えて田島さんは告別式の間に襲われたことになるから新田先生には無理な話だよね? 「もう一人、居なくなった人間が居る」 「もう一人?」
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