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それは思いもよらない人物の名前。 新田先生の事務所の女性。佐田さん。 「新田先生の前なのか後なのかは今調べてはいるが、姿が見えなくなったらしい」 私の事を『どじっこちゃん』と優しい笑顔で語りかけてくれた佐田さんが居なくなった? 「佐田さん・・式の前は確かに居て、私にホテルの事を教えてくれたのに」 「佐田さんが?」 「うん」 訳が分からない。 「何が起こってるの?」 「まだ分からない。 とにかく、二人の居場所を突き止めるためにみんな聞き込みしてるから。 付いてくるなって言っても無駄なんだよな?」 「ごめんなさい。 でもお兄ちゃんの隣が一番安全でしょ?」 そう言うと、困ったような顔で笑うお兄ちゃん。 困らせてごめんね。でも、何も知らないで何もしないでただじっと待ってるなんてできない。 「なぜ田島さんが襲われ新田先生と佐田さんが居なくなったのか。 喪主が居ないって事でかなりの騒ぎになったらしい・・・」 「だよね。 先生のお母様だもんね。 こんな悲しい日に一体誰がこんな酷い事を・・・」 新田先生の事を思うと胸が痛む。
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