キミは夜の海

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触れられたくないと 思った 綺麗な空も 霞んでみえた 木々の囁きも 鳥たちの歌声も 風の舞う音も 大地の息吹ですらも 鬱陶しく思った 夜の海だけが 共鳴した "もう大丈夫だよ" と云ってくれた 波が拐ってくれたんだ 僕の汚い過去も 僕の汚い欲望も もう、誰にも 触れられたくないと 思った キミは云った "僕は冷たいよ" その冷たさが 今の僕には丁度いい 夜の海の様に 真っ暗な キミの存在が 僕の心を溶かして いくよ もう、誰にも 触れられたくないと 思った キミ以外には
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