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俺は腕に力をいれ、伊吹から離れる。
「翔…?」
「伊吹…しよっか…」
「…え?」
俺は伊吹に一度背を向け、そのまま上着を脱ぎ、ベット下に捨てる。
「翔…何急に…」
「いや…ただ俺がしたいだけ…勿論今回は俺がした…」
俺はいまいち状況を理解していない伊吹のほうを向き、
かけていたメガネをとり、サイドテーブルに置く。
その行為に、伊吹の顔が変わる。
「…翔…本気?」
「んー、本気…」
硬い声の伊吹に対し、俺はそのままベットに仰向けに寝て
天井をみる。
「何で…急に…」
「出来るときにしときたいじゃん…」
俺のその言葉の真意が分かったのか伊吹の眉間に皺が寄る。
そんな伊吹に俺は微笑む。
「そんな怖い顔すんなよ…
俺もなんとなく分かってるんだよね…
今まで逃げてただけ…」
「なんで急に…
まだ…まだ逃げてていいじゃないか!
なんで今…!」
本当に泣きそうな伊吹に俺は体を起こし、伊吹の顔を両手で包む。
「簡単に言えばさ…もうお前にそんな顔してもらいたくないんだ・・・」
「…それは…っ!?」
俺は喋る伊吹を黙らせるため、触れるだけのキスをする。
「もうお喋りはいいだろ?」
俺は上目目線で伊吹を見る。
「早く俺を愛せよ?
俺はもうすぐ…っん…」
俺はもうすぐ…俺じゃなくなる…
その言葉は伊吹の熱いキスで止められた。
俺たちはそのままベットに沈む。
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