3 期間限定

4/14
前へ
/516ページ
次へ
「……3ヶ月…限定…?」 私…今、水嶋君が用意してくれたりんごのソースたっぷりシフォンケーキに、フォーク刺したまま動けなくなりました。 「…あれ、俺先週言いませんでしたっけ?」 「きっ、聞いてないわよっ。って言うか、ちょっと待ってっ。んじゃ、今12月だから3ヶ月限定って事は3月までって事?』 「はい。正確には今月も入るから3ヶ月と数週間ですけど。」 いやいや、はい。じゃなくてっ。 「意味がわかんない…。」 「もっと長い期間の方がいいんですか?」 「そっ、そういう事じゃないわよっ。私が今週どんな気持ちで悩んで今日ここに来たと思ってんのよっ。しかもよ、しかもっ、それを3ヶ月の期間限定の関係なんて今言われて…普通驚くでしょ!?」 ………んっ? 待てよ? ってことは…、 「…4月からはまた私達上司と部下に戻るってこと?」 「……うーん。まぁ、そうなりますかね。」 何?その曖昧な態度は? っていうか… 「何で期間限定なの…?」 「…何でも期間限定の方が美味しい気しません?」 そう言って水嶋君は、私のケーキに刺さったままのフォークを手に取り口に入れた。 .
/516ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33680人が本棚に入れています
本棚に追加