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「呼べば来る子ね…。いますけど、いろいろ面倒なんですよ。女の子って勘違いしたりするの多いから。」
「…勘違い?」
「付き合わなくてもいいって言うくせに泣いたり、いつの間にか彼女ぶったり。別に好きなんて一言も言ってないのに。そういうの俺、もう勘弁なんですよね。」
…はは。
だから私か…。
私なら…勘違いしたりしない。
水嶋君と私。
つり合わないの、私が一番わかってる。
それに私が水嶋君の彼女…?
想像もできない…。
「…いつか刺されるわよ。」
「だから、工藤さん一本にしたんじゃん。」
「あっ、そう…。」
はは…、もう…いいや…。
聞いた私がバカだった。
ろくでもない男なのは前からわかってた事じゃない。
期間限定…、この男なら十分ありえる話しだし…。
きっとこうやって今までやってきたに違いない。
考えるだけ無駄って事よね…。
「…いただきます。」
気を取り直してケーキを口に入れる。
「おっいしー!!」
隣の水嶋君をバシバシ叩く。
もう私も素でいこう。
付き合ってるわけでもないし、ましてや好きなわけじゃないんだから…嘘の自分作る必要ないし。
「よかった。」
叩かれたのに、嬉しそうににっこり笑い私の頭を撫でる水嶋君。
別に恋人じゃないけど、何かこういうのくすぐったい。
きっと水嶋君にとっては何でもない事なんだろうけど。
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