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「あの‥。」
遠慮がちに声を掛けると、男の人は、振り向きニッコリ笑った。
だけど、その口元から見えた歯は、全部が金色で‥。
驚いたあたしの心臓は、バクバクと音を立てて鳴り出した。
咄嗟に、逃げなきゃって思った。
なのに、恐怖で竦んだ足は言うことを聞かない。
頭の中は“どうしよう!”って焦りだけ。
泣きそうになった時‥
「あ、暁(アカツキ)さんですか~?」
男の人は、あたしの名字を呼ぶと
「ギラギラ宅急便で~す♪お届けものにあがりました~♪」
歌を唄うような軽やかな口調で、そう言った。
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