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「宅急便?」
きっと、すごくキョトン顔になってると思う。
あたしは、男の人を見つめて呟くように訊いた。
「あれ~?今、こんな宅急便なんて知らないって~、思ったですよね~♪」
不意に、頭の中を読まれて、思わず首を横に振った。
そんなあたしに、男の人は、また金色の歯を剥き出して、ニッコリ笑った。
「いいんですよ~♪気にしなくて~♪本社は、ギラギラ山ってとこにあるんすけどね~♪マイナーな会社ですんでね~♪」
「そぉなんですか‥。」
─ 早く帰ってくれないかな‥
なんて思った時
「帰りますよ~♪サインくれたらね~♪はい!ここに!」
派手な制服のポケットから金色のボールペンを取り出して、宅急便の人は、ラメ加工された小さな箱を、あたしに差し出した。
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