Ⅲ love potion

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  「宅急便?」 きっと、すごくキョトン顔になってると思う。 あたしは、男の人を見つめて呟くように訊いた。 「あれ~?今、こんな宅急便なんて知らないって~、思ったですよね~♪」 不意に、頭の中を読まれて、思わず首を横に振った。 そんなあたしに、男の人は、また金色の歯を剥き出して、ニッコリ笑った。 「いいんですよ~♪気にしなくて~♪本社は、ギラギラ山ってとこにあるんすけどね~♪マイナーな会社ですんでね~♪」 「そぉなんですか‥。」 ─ 早く帰ってくれないかな‥ なんて思った時 「帰りますよ~♪サインくれたらね~♪はい!ここに!」 派手な制服のポケットから金色のボールペンを取り出して、宅急便の人は、ラメ加工された小さな箱を、あたしに差し出した。  
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