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地域の小さなお祭りだけど、会場は、大勢の人でごった返していた。
「ひよ!こっち♪」
あたしと同じ藍色の浴衣に赤い帯を巻いた亜美が団扇(ウチワ)を大きく振っている。
あたしは、急ぎ足で亜美の元へと歩いた。
「アミ、早いやん♪」
「うん♪待ちきれへんもん。」
まだ明るい夕空の下、あたしは亜美と、屋台を見て回った。
金魚すくいをして、ヨーヨー釣りをして、真っ赤なリンゴ飴を買った。
花壇のブロックに腰掛けて、会話しながらリンゴ飴にかじり付く。
空は、段々と暗くなって来て、櫓(ヤグラ)から伸びた無数の提灯に、明かりが灯った。
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