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「笑ってるし……」
「笑ってねぇから」
河木はすかさずツッコミを入れたが、 幸実は再び即答で否定した。
しかし、コーヒーを飲んで誤魔化してはいるものの、肩が微かに震えているので、笑っていることは一目瞭然だった。
そんな幸実の様子を見て河木は溜め息を一つつき、唇を尖らせる表情をすると、
「もう勝手にしろよ。
というか、
普段は仏頂面のお前が
笑うなんて珍しいな。
明日は槍が降るんじゃね?」
拗ねたようにそう言う。
「三日もほとんど
一睡もしなければ、
誰だってテンションが
ハイになる」
幸実は仏頂面呼ばわりされたことも別に気にするわけでもなく、あっさりとした様子でそう言う。
そして、幸実は流し目で机の上で山となっている陶器の欠片を見て、笑顔から一変、げんなりとした表情になった。
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