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「この陶器は江戸初期に
作られたものだ。
一種類だけではなく、
何十種類もの陶器が
バラバラになった状態で
発見されたんだ。
修復するには、まず
同じ種類ごとに
分けないとならない。
全く、面倒なことだよ」
そう言い肩をすくめる幸実に、
「大変だな。
一人じゃできないから
山口さんと津田さんに
手伝ってもらっているのか?」
河木は他人事のような気軽さでそう言うと、彼女から離れた場所で作業を続けている二人を見た。
それに対し幸実は微かに眉をひそる。
「手伝ってもらって
いるのではなく、
手伝っているんだ。
どうだ?河木さん。
暇そうだから
あんたも手伝うか?」
「いや、俺はまだ仕事が
残ってるし」
幸実に誘われた河木だったが、こんな地味で疲れる作業はごめんだとも言いたげに即答で断る。
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