危険な反発

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 カラン…  「いらっしゃいませー!」  深夜。店には松下と市原がいる。  やってきた客は地元の不良グループのようだ。  ダボつかせた制服を着て、平気でタバコを片手に席に着く数名。  「ちょー、シンヤ、そっちのテーブルからも灰皿取って。」  そこに座っている若い女性客らの許可を得ようともせず、隣の隣のテーブル席からをも灰皿を奪う。    「いらっしゃいませ。お飲みからお伺い致します。」  年齢を確認することなくオーダーを取る市原。  「俺、ジントニック。」  「オレ、モスコミュールで。」  「鍛高譚のお湯割り、梅入りってできます?(笑)」  「タケシなんだよそれ(笑)」  「いや、だって俺、最近いつも家でこれだから(笑)」  「オッサンじゃん!」  笑い合う若者たち。  しかしどう見ても高校生だ。  このバーが俺達に相応しいかどうか、見てやろうじゃん。そんな雰囲気を醸し出す。  やがて市原が酒を出し、高校生たちは酔っ払って行く。  「…てかサトルさー。オレのアヤノとヤッたってマジ?」  「は!?なんだよそれ、誰に聞いたわけ?意味わかんねーし。」  「しらばっくれねーで答えろっつってんだよ!!」  タケシ(?)がテーブルの脚を大きく蹴飛ばし、端にあったグラスが数本落ちて割れる。  店内のどよめき。  やがて店内は戦場になる。  止めに入った市原はガラスの破片の上へ薙ぎ倒されて、傷だらけだ。
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