5人が本棚に入れています
本棚に追加
やめて…
やめてよ。
「やめなさい!!!!」
汗が枕に伝って枕はぐっしょりしている。
私は眉間にシワがよったままなのがわかる。
布団の中のパジャマは、背中や太ももの部分が蒸れてびしょびしょだ。
時計は5時29分を指していた。
目のピントが合うまでそのまま見つめていると、針はしっかり下を向き、ピピピピピと時計を鳴かせた。
こんな夢はもう何回目だろう。
息がちゃんとできているのか認識しないまま、私は起き上がってしばらくぼーっとしていた。
苦しい。
息、止まってたかも。
私は伸びと同時に空気を精一杯肺へ送り込んだ。
「…準備しなきゃ。」
私の朝は結構早い。
6時45分に出勤するため、この時間に起きるのは仕方ない。
私はポストからキャットフードを掴み出し、駐輪場で私を待っていたミルクの口へと運んだ。
「いってくるね!」
今日もいつも通り、綺麗に片付いたキッチンからスタートできますように。
「ミルクちゃん?」
その時聞き慣れた声がした。
最初のコメントを投稿しよう!