危険な反発

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 私達は事務所兼更衣室としているマンションに着いた。  実を言うと、Garden Modeはテナントに入っているため、事務所を造る十分なスペースを確保することができず、すぐ裏のマンションの205号室を事務所として使っているのだ。  マンションの前には見知らぬ男性が2人立っていた。  私達には、その男性らの服装から彼らが誰だかすぐにわかった。  彼らはいつも普通の日常を突然壊す。  警察だ。  マンション玄関のコンクリートには、焦げ付いた跡と紙が燃えたような灰があった。その周りは白いチョークで書かれたような円で囲まれている。  「ここの住民の方ですか?」  警察が私達に尋ねて来た。  「あ、いえ。あそこの店の従業員です。このマンションの一室を事務所として借りています。」  決して始発で帰って来たわけではないであろうこの時間に、女性2名で帰宅するのは不自然に見えただろう。  「そうですか。実は今日未明にここで放火があったんです。犯人にマンションを全焼させる気はないようで、コンクリートの上で雑誌を燃やしただけでした。もし何か変わったことがあれば警察にご一報ください。」  「わかりました。」  平凡な早朝が一瞬にして煙の中に消える。    夢で見た不良高校生達がマンションの玄関で面白がって雑誌に煙草の火を近づける姿が頭を過ぎった。  実際には誰が犯人か、全くわからないのだが。  「怖いね…。私が帰るときはまだ全然明るいし、電動自転車だから大丈夫だけど…星崎さんは帰るとき暗いでしょ?気をつけてね。」  牧野さんが私の帰り道を心配してくれた。  確かに5分で着くとはいえ、気持ちが悪いな…。    私達は不安を胸に着替えが終わると、何も知らずにやって来た納品のトラックに元気に挨拶をした。
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