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「いえ。こちらのお客様の方が先に並ばれていたので。」
市原は胸ぐらを捕まれたまま、私の指示を無視した。
「なんだと!?」
男はさらに眉間のシワを深くする。
市原は男の手を振りほどき、冷静に
「少々お待ちください。」
と言った。
そして先のお客様の会計を再開させる。
まずいって~!!
私はとりあえずケーキの箱詰めを終わらせよう…。そして電卓でケーキ代金を計算しよう。
私は、4つの箱に全てのケーキを入れた。
「お客様、持ち歩きのお時間はどれくらいでしょうか?」
保冷剤の個数を決めるためにいつものようにそう聞く。
「1時間くらいよ!あーもー!電車が出ちゃったわ!!」
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