危険な反発

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 「…申し訳ございません。」  私は各箱に保冷剤を2個ずつ入れ、電卓で合計金額を計算した。  「大変お待たせ致しました。お会計、7531円でございます。」  「ほんと、いつまで待たせるわけ!?」  1万円を預かり、他のお客様の会計中のレジからお釣りを抜いて渡した。  男女は私から奪い取るようにケーキの袋を抱え、市原を睨みつけて店から出て行った。    20時半にはようやく店も落ち着いた。   戦場の跡のように、ほとんどのテーブルに食器が散乱している。  数名のお客様のオーダーを取る時以外、私4人全員がひたすらリセットに徹する。
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