哀しい眼

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     「店長、あの子、本当に大丈夫なんですか?」  午後20時。夕食のピークは過ぎ、私と高橋はキッチンで洗い物をしていた。ホールではアルバイトの松下翔(20)がリセット(食器などを下げてテーブルを整えること)をしている。客はテーブル席に一組だけだ。   「翔?翔はなー、シフトに来てくれさえしたらいいんだよ。仕事ぶりは安定してる。たまにサークルの予定急に入れやがるからな。」  「違いますよ。昼間に店長が連れて来た、市原泰孝です。あの子、だいぶ変わった子じゃないですか。常識が欠落してるっていうか、なんてゆうか。」
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