僕のお姫様は悲劇のヒロインだ

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ミサ 「……」 /自由に、拗ねてるように ヒロ 「ミーサ?ミサちゃーん?」 ミサ 「謝るなら許してあげないこともないわ」 /ボソッ ヒロ 「はい…すみませんでした。お姫様」 /にこり ミサ 「私はヒロのお姫様になんかなった覚えはないから。でも、謝ったから許してあげるわ…」 /最初は勢いよく、でもだんだん声を小さく ヒロ 「解ってるよ。僕が勝手にそう思ってるだけだから」 ミサ 「……」 ヒロ 「そうだよな。もうお姫様なんて柄じゃねぇよな。ミサも僕も、そんな…もうあの頃みたいに子供じゃねぇよな、だから…」 ミサ 「ひ、ろと…?」 /不審に思い、表情をみる。ヒロの表情は前髪で見えない ヒロ 「ん?何でもねぇよ、ミサ!…ノートだっけ?おっ、これだこれだ。はい、早く返してくれよー?特に数学なっ!」 /明るく ミサ 「え、ええ。大事にするわ」 ヒロ 「破ったり汚したら絶交だからな!」 /ノリで ミサ 「大丈夫。明日には返すわ…だから、心配しないで」/にこり ヒロ 「さーすが、柊美沙さん!大天才!」 ミサ 「おだててもノートしか帰ってこないわよ?」 ヒロ 「分かってますぅー!」 /笑いながら (それ以上は望まねぇよ、もう二度と) /眉間にシワを寄せ ミサ 「ヒロ、」 ヒロ 「ん?」ミサ 「ヒロは私のこと…」 /ノートをめくった手をとめて ヒロ 「何だよー、ミサー」 /おどけて ミサ 「好きとか、愛って何なんだろう。友達とは違うのかな…」 /ページをめくりながら、呟くように無感情に ヒロ 「ミサ…それっ」 /立ち上がり
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