僕のお姫様は悲劇のヒロインだ

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ーガラッ /朝、保健室の扉を開けるヒロ ヒロ 「種村先生ーミサ、来てますか?って、誰も居ないのかよ……」 /扉を開けた手はそのままに、縁にも片手をつく ヒロ 「ようするに早く来すぎた、ってことですか」 /溜め息混じりに 美沙/以下ミサ 「あら、ヒロじゃない?朝っぱらから独り言が多いわね。その内ネクラって言われるわよ」 /ヒロの後ろでクスクスと笑いながら ヒロ 「相変わらず君は一言多いな」 /ミサの方に振り向き ミサ 「ふふ。本当のことだもの、仕方ないじゃない。言わずにはいられないのよ」 /ふふ、はほんのつけたし程度に ヒロ 「そーですか、そーですか!まあ、別にいいんだけどね」 /あきらめ混じりで ミサ 「そんなに簡単に引き下がられちゃ、面白くないじゃない」 /拗ねたように ヒロ 「ということはミサ。結論から言うと、君は僕と喧嘩がしたいわけ?」 /馬鹿馬鹿しいとでも言った感じに ミサ 「まさか!それは少し短絡的すぎるわ」 ヒロ 「だろうね」 ミサ 「解ってくれればいいのよ。ああ、……そういえば」 ヒロ 「何?」 ミサ 「種村先生はまだ来ていないのね」
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