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その時
目の前に映ったのは
血まみれの少女だった。
彼女は砂の上に一人立ちすくみ、絶望の夜に髪を委ねていた。
サラサラと
綺麗な紫の髪が夜に混じる。
紫の綺麗な髪に
手を伸ばしたのはなんでだろう。
俺は彼女に近寄って、手を伸ばしていた。
指先が少し肩に触れた頃
彼女がこちらを向いた。
その目は今でも忘れない。
愛情に飢えている
野獣のような目。
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