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それから2年後…
タグマが12歳の時にあの事件は起きた。
その日は雲一つない青い空が広がる快晴。
降水確率も0%だ。
しかし授業中にも関わらず、タグマは青い顔をして立ち上がった。
気分が悪そうとかそんなんじゃない。
冷や汗を流し、絶望的な顔だった。
担任→担「どうした、ティースティー?授業中だぞ。」
タ「…か…かあ…と…う…さん…が…」
担「どうしたんだ?!落ち着け!」
タ「…雷が…」
担「は?」
タ「雷が…落ちる…」
担「雷?」
タ「父さんと母さんの上に雷が落ちて…即死する…」
担「何を言っているんだ?こんな晴れの日に雷が落ちる訳ないだろう…」
タ「本当なんだ!まもなく黒雲が広がり雷が落ちる。」
担「いい加減にしろ!信じられるかそんな話!!」
タ「とにかく俺は行く。」
担「待て!今は授業中だぞ!!」
タ「は、離してくれ!人の…いや、父さんと母さんの命がかかってるんだ!!」
バキッ!
タグマが担任の手を振り払おうとすると、肘が担任の顎に当たり歯が折れた。
担任は床に倒れたが、すぐに立ち上がり真っ赤な顔でタグマに詰め寄った。
担「何するんだお前!歯が折れたじゃないか(怒)!!」
タ「うるさい!今はそんな場合じゃないんだ!どいてくれ!!」
担「何だその態度は…体罰だ!来い!!」
タ「離してくれぇ!」
担任は授業を中断し、タグマを別の部屋に無理矢理連れて行った。
タグマの叫び声は廊下中に響き渡った。
タグマの予知能力は今でも信用されていない。
生徒はおろか教師にさえ信じてもらえていない。
2年前にうさぎを守った時も偶然だと言われた。
それからもタグマは色々と学校の危機を救っていた。
それでも信用されないのだ。
薄情な話である。
それからタグマは、授業が終わるチャイムが鳴るまで担任に殴られ続けた。
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