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「少し安定してきてるから、来週ぐらいには退院できるだろう。酷い発作が起きなかったらだけどな。」
涙が喜ぶだろうと思い、顔がほころんだ。
「本当に綾(りょう)は涙のことが好きなんだな。幸せだろうな、涙は。」
先生は昔の俺の気持ちも、今の俺の気持ちも知っている。ただ一人の理解者だ。
「涙は大丈夫なのか?」
先生はカルテを見ながら、話した。
「ちょっと体調を崩しがちだけど、何とか大丈夫だと思うよ。退院したら、お前と同じ学校に行くらしいな。まあ、綾がいれば安心だな。」
そう。涙は退院したら、俺と同じ学校に行くのだ。
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