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「犬夜叉」
緑映える森の中に
一際目立つ緋色の衣。
時より吹く春の風に
銀色の長い髪がなびく。
「弥勒…」
弥勒に呼ばれ、心なく犬夜叉は返事をした。
「ここにいたのか。」
弥勒は、犬夜叉のそばにたたずむ
古びた枯れ井戸に視線を落とした。
「井戸は…繋がらぬか…」
井戸の底は変わらぬ姿をしており
今は懐かしい彼女が上る姿も見える気配すらない
「かごめ様はどうしているだろうな…」
弥勒は、どこか遠くを見つめる犬夜叉に投げ掛けた。
「もう…かごめのことは忘れろ…」
「…犬夜叉」
犬夜叉は弥勒にそう告げると、また森のどこかへと姿を消していくように歩いていったーーー
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