第一章 発砲

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「おい、あれ見ろ」  栄太郎があごで前の遠くの方を示すようにしながら、小声で隣にいた春之助に話かける。そこには一頭の犬が歩いていた。 「この辺りにも飼犬はしっかり繋いでおくよう、お触れは出されているよな…」 「ああ。それも毎年のことだしな」  場所は下総国大森(現在の印西市)。利根川沿いにある木下河岸から程近い。
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