第一章 発砲

7/9
前へ
/9ページ
次へ
「風は横に流れている。こっちの火薬のにおいが向こうの鼻まで漂う様子は無いが…」 「おい、勘右衛門、この距離でやれるか?」  春之助は振り向きざま、これまた小声で鉄砲打ちの一人にたずねた。別に普通に話したところで犬の耳に届くくらい近くもない。が、獲物を見つけたという意識が何となくそうさせてしまう。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加