第一章 発砲

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「どれ、ひとつやってみっぺ」  勘右衛門と呼ばれた鉄砲打ちは、犬のいる方を見据えながら玉を筒先から込めはじめる。  火縄を挟み、火蓋をきり、やがてゆっくりと銃を構え、狙いをつけることしばし…。  鉄砲が火を噴くと同時に、犬のキャンという鳴き声が聞こえた。 「やったか!?」
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