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あれから1ヶ月。
伊木先生と、ひかりちゃんが
よりを戻してから1ヶ月。
あっさりと仕事を辞めたひかりちゃんは、先生の引っ越しに便乗して、自らも九州に旅立っていった。
それはそれは、あっさりしていて。
「あたし、航平と行くね。」
と、満面の笑みで。
なんとゆうか…
潔いとゆうか、真っ直ぐとゆうか
単純とゆうか…。
一直線に伊木先生のところへ。
俺も未知も、驚きと喜びと拍子抜けがいっぺんに来て、別れを惜しむ暇すら無かった。
……いや、ひかりちゃんが幸せなら言うこと無しなんだけどね。
そして
それから更に1ヶ月。
3月。
日に日に春が訪れてくるのが
目に見えて、肌で感じられるようになってきた今日この頃。
春風と共に、郵便受けに舞い込んできた結婚式の招待状。
……早すぎるだろ。
そうツッコミを入れた矢先、未知に届いたメール。
『ママになります。
秋に産まれるよ~。』
……いや、だから早すぎるだろ、オイ。
もう笑いしか出てこない。
俺は碧斗にメールを送った。
ずっと言ってやりたかったこと。
『初恋敗れたり!
ざまーみろ。
残念でしたー。』
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