♯2 救急搬送。

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思わず、強い口調で否定してしまった。 先生はまた、ふうっと溜息をついた。 「…そう…。ならいい。」 先生に背中を向けて布団をかぶった。 静かにドアが開いて、閉まったのが分かった。 先生が…、出ていったんだ…。 素直じゃないあたし。 認めるのが怖いの。 世間体、気にしたりしてるの。 彼氏から暴力ふるわれてるなんて、同情の目で見られたくなんかない。 助けてなんて言えないくせに 助けてほしいと思ってる。 誰か… 誰でもいいから あたしが何も言わなくても助けに来てほしい。 ヒーローみたいな人が現れるのを待ってるの。 そんな 子供じみた夢を…… まだ見てる…。
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