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中尾の腕をほどいて、ベッドから起き上がる。
三日経ってもまだ痛い身体。
……そりゃそうだよね。
毎日毎日……。
朝も昼も夜も関係なく、中尾はあたしを求めた。
激しく激しく求められて、
あたしは全てに黙って応じた。
拒むことなんて、できなかった。
そんな勇気があったら
あたしはとっくに別れを告げてる。
ベッドから出ようとする、あたしの腕を中尾がぐっと掴む。
「どこ行く?」
「…あたし…、今日…病院…」
「行くなよ。もう元気じゃん。」
……どこをどう見たら元気に見えるんだろう…。
「予約…、してあるし…」
「ほっとけばいいじゃん。」
「…でも…」
あたしの“でも”という言葉
たった一言で、中尾の表情が一変した。
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