♯4 涙は言葉の代わり。

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中尾の腕をほどいて、ベッドから起き上がる。 三日経ってもまだ痛い身体。 ……そりゃそうだよね。 毎日毎日……。 朝も昼も夜も関係なく、中尾はあたしを求めた。 激しく激しく求められて、 あたしは全てに黙って応じた。 拒むことなんて、できなかった。 そんな勇気があったら あたしはとっくに別れを告げてる。 ベッドから出ようとする、あたしの腕を中尾がぐっと掴む。 「どこ行く?」 「…あたし…、今日…病院…」 「行くなよ。もう元気じゃん。」 ……どこをどう見たら元気に見えるんだろう…。 「予約…、してあるし…」 「ほっとけばいいじゃん。」 「…でも…」 あたしの“でも”という言葉 たった一言で、中尾の表情が一変した。
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