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『先生!俺、俺が馬鹿でした!
先生カッケェよ!今まで舐めていてごめんなさい!』
『HAHAHA。気にするな、青少年。俺がワイルドで渋くてカッコイイということが分かればそれでイインダヨ!』
『ううっ、先生!』
と、いうような展開を期待していたのだが。
「…聞こえなかったのか?さっさと出ていきやがれって言ってんだ。」
「あ、あの。瀬良くん。僕に対して何かお礼の言葉とかないのかな?」
教室内が殺気に満ち溢れていく。
おいおい死亡フラグかい!
「礼だぁ?結局のところテメーはただ傍観してただけの話だろうが。」
「そ、それは君を成長させる為にやむを得ず…!」
「うぜぇ…殴る。」
ギャアアアアアア
やっぱり可愛くねー!!
俺が逃げる体制をとったその時。
「…っくしゅん!」
「…………」
「……………」
田中倖がくしゃみをすることにより、瀬良の闘気は消えた。
俺は短いため息をつく。
「…保健室、貸してやるよ。お前もそれじゃ風邪引くぞ。」
「あぁ?別に必要ね………っくし!」
世にも珍しい瀬良のくしゃみを見たことで、俺は大爆笑した。
「ぶわははは!天下の不良様様も、風邪には勝てねーってか!」
「うぜぇ死ね。」
口では悪態をつきながらも、瀬良は田中を抱えて保健室へ行くことを決意したようだ。
やれやれ、素直なのか素直じゃないのか。
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