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やれやれ、血の気の多い奴だなあ。
俺は煙草に火を付けた。
「仮に、お前の言う通りだとしよう。だが、俺が手を出したことで何かが変わったのか?」
「倖が怪我をした。」
おお、loveだね。
「なるほどな、田中が怪我をしたのは俺のせいか。」
「…………」
「大人が子供を守ってくれるんだっ!それが義務なんだっ!だから僕ちんの大切な人が怪我をしたのは、お前のせいなんだっ!」
「てめぇ、」
「だ・か・ら、ガキなんだよおめーらはいつまでもいつまでも。」
ふっと笑ったあと、煙草をガリッと食いちぎり、瀬良を睨みつけた。
「自惚れるなよ餓鬼が。都合の良い時だけ子供の権利主張してんじゃねえよ。一度守ると決めたら、てめー自身で何が何でも守るべきだったんだよ。
田中倖は、誰を待ちわびていたんだ。
どうして我慢できたんだ。
瀬良椎葉。まさかそんなことも分からないで、田中倖を捕まえているのか。
だったらその手を離せ。離れちまえ。その子自身の為にもなる。」
衝撃を受けたように瀬良の目が見開かれ、唇を噛み締めた。
「………、…」
お前の弱いところ、少しは自覚しやがれってんだ。
あと、田中の強いところも認めてやれ。
さぁ、見せてくれよ。瀬良。
お前はこの一連の事件で、何を学んだ?
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