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※瀬良椎葉視点
俺の寝るためだけの場所、保健室。
最初、そいつは寝ながら抱き込むように俺の腕に巻き付いていた。
その阿呆みたいな面を見て、口を食いたくなった。
それだけだ。
理由なんて、思いつかねぇ。
倖が知っている。
なぁ、倖。
てめーのせいで俺の一人だけの昼寝場所は変わった。
「お前の、せいだ。」
俺の服にくるまれて呑気な寝息を立てている倖の髪を梳く。
「倖、覚悟はできてんだろうな…?」
起きたら覚悟しろよ。
俺は、てめえを逃がすつもりは無ぇからな。
今は無防備にさらけ出された唇でも食らって我慢してやるよ。
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