それぞれの妄想

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椎葉の唇を眺めてドキドキして、しばらく固まっていると。 「…ごー」 椎葉の口から何かの単語が発せられた。 ギクリとしたが、もしかして寝言だったのではと気を取り直す。 「…よん…」 まったくなんの夢をみているのやら! 可愛いんだからもう! 「…さん…」 数字?数字の夢を見ているの? 「…にー」 …違うなコレ。 カウント? 「……いち」 あれ。あれれ…? 「ゼロ。時間切れだ。」 椎葉の顔に触れていた俺の両腕を掴まれると、視界がくるりと天井を向いた。 またしても、俺は押し倒されていた。 目の前にはぱっちり目が覚めた様子の椎葉。 ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべているところをみると、まさか、狸寝入りしてたのか!?
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