それぞれの妄想

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俺が顔を赤くしてあわてふためく間に、椎葉は目を細めて、艶っぽく笑う。 「倖。お前から、キスしてみろよ。」 なぁぁああっ!!!? 何故急にそんなまさか!? 保健室の窓から、淡いオレンジ色の光が差し込む。 その光は椎葉と俺を照らして、なんというか、雰囲気バッチリと言いますか。 そう、雰囲気のせいなんだ。 俺はギュッと目を瞑って、ソロソロと椎葉に唇を近づけていった。 そして、チョン、と唇が触れ合い、死ぬほど恥ずかしくなった俺はすぐに離れようと思ったのだが。 椎葉が俺の後頭部を掴み、さらに深く口づけをする。 「…!ん、んんっ、」 酸素不足酸素不足!! 苦しい! 離れようにも、後頭部をがっちり掴まれて抵抗できない。 椎葉、椎葉。 キスをすると、頭の中が椎葉でいっぱいになっちゃうんだ。 ああ、何キモいこと言ってんだ俺。 ホント、どんだけアホみたいに椎葉のこと好きなんだよ、俺。 重症だよな。
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