XXVI

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血液が飛び散り、手が真っ赤だった。 あの日もこの手は真っ赤に染まっていた。 何も変わらなかった。 相手が違うだけで何も変わっていなかった。 僕は立ち上がり、クラスメイトたちに視線を移した。 「…………誰か、先生を呼んできてくれないかな」 「………えっ?ああ、うん」 体育館から副委員長が出ていった。 沈黙が続いた。 彼らは巻きこまれた。 ただそれだけだ。 僕の茶番に付き合わされただけなのだ。 それ以外に何がある?
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