XXVI

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僕は宮村に突き刺さっていたそれを抜くと、自分に向けた。 落とし前は自分でつけなければいけない。 これは僕の罪だ。 いーちゃんへの贖罪だ。 僕は深呼吸を一回すると、それを腹に深々と突きさした。 激しい痛みが身体を襲う。 いーちゃんもこれを味わったのか。 僕の身体から力が抜け、足から崩れ落ちる。 「―――――っ。」 意識が朦朧とする中、桃葵が駆けつけてくるのが霞んでいく視界から見えた。 「な、なにしてんだよ!!死んだら駄目だ。約束破る気なのか!」 「………約、束は……破るため、に、あるも、のだろ…」 「こんなときにまで戯言言うな!俺は…俺は、こんな約束をした覚えはない」 「ごめん。桃葵……いや、成瀬。本当、に、ごめんな。でも……他、に……方法が見つから、なかったんだ」 サイレンの音が聞こえた。 いずれ、警察がやってくるだろう。 でも、あの事件の真相は僕が墓場まで持っていくつもりだ。 それが―――僕の選んだ道なのだから。 成瀬の声が徐々に聞こえなくなっていく。 そして。 僕はゆっくり目を閉じた。
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