おれの学校生活

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凰は歩きだし、言う。 「つか、水月今日はマジで早いな」 「ん、たまたま目が醒めてさ」 おれも倣い、歩きだす。 おれはいつも登校時間が遅い。 家が近いからギリギリまで寝てから来るのだ。 そして、昨日夜更かしをした。だから、なんで起きれたのかが不思議だ。 それなど微塵も感じさせないくらい眠気がない。 「あれ? 凰ちゃぁーん? 水月ちゃぁーん?」 何か聞こえるが気にしないことにしよう。 「そうなのか? 早寝でもしたのか?」 「いや? 三時まで起きてたけど」 おれは先程考えていた事を答えた。 「オレ、今日学校終わったら結婚するんだ……」 嫌なBGMが聞こえてきた。 「はぁ? またかよ。何してたんだ?」 「いや、ビンクスの酒熱唱してた」 うん、あれは熱かったな。 「……それってワンピースのあれだよな?」 さらに呆れた声。 「「イエス」」 「なんで被せた!?」 始がなぜかおれの言葉にハモらせたのに対して凰はツッコンだ。 本当に何故被せたし。 「寂しかったんです。他意はありません」 始はそうションボリと顔を伏せて言ってくる。 ……あ、これは始のめんどくさいパターンだ。 それに悪いと感じたのか凰は少々表情を曇らせ、 「……わりい」 と素直に謝ってしまった。 あーあ、しちゃいけないのに。 何故なら、 「あっれ? もしかして凰ちゃん騙された? 騙されちった? 凰ちゃん純情ぉ~!! 惚れちまいそーだぜ!!」 こんな風になるからだ。 凰は何回これに騙されるんだ。 「……騙しやがったな!!」 凰は一瞬ポカンとするが、すぐに気付いて怒りだす。 始は性格悪いからなあ。 始は本当にギャップが激しい。 例えばギアスのルルーシュ。 まぁ、クールそうな人間やキャラを想像して見て欲しい。 そんな奴がいきなり、 「フヒヒ、もちろんですが何か! この糞リア充! ばーかばーか氏ね!!」 とか言うのだ。 これが女子生徒から「残念なイケメン」と陰で言われる事になった所以だ。 「彼女いねぇわ! しかもただの妬みじゃねぇか!!」 え……凰彼女いないの? ざまあ。 「嘘つけ!! お前が駅前で可愛い女の子と歩いてたって情報は割れてんだよ!」 「あれは鳳花(ほうか)だっつの!」 鳳花とは、凰の双子の姉だ。 読者モデルをやっててめちゃくちゃ綺麗。 だが、まともな凰の血縁とは思えない程に性格がアレだ。
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