おれの学校生活

7/19
30226人が本棚に入れています
本棚に追加
/896ページ
「つーか、次の授業何?」 「んー、あぁ、数Bだな」 おれが聞くと凰が簡単に答えてくれた。 数学……テラ苦手ッス。 「水月ちゃん、当てられないといいな」 ニヤニヤしながら皮肉を込めてそんなことを言う始。 全然思ってないだろコイツ。 ま、当てられないだろ。 昨日当たったし。 「じゃあ~、ここ神崎。答えろ」 当てられた。 ちょ、おい。まて。 昨日当てたよね? やめて? つか、おれが答えられないの知ってるよね、先生。 おい! そこニヤニヤすんな! 始もドヤ顔すんな! つーか先公!! お前もニヤニヤすんな! 「どうした神崎? この程度もわからないのか? 勉強が足りないんじゃないのか?」 ニヤニヤニヤニヤ。 うっぜぇ! コイツうっぜっ! 「先生、少し待って下さい。あと少しで解けそうな気がします」 先生達の鼻を明かそうと思い、咄嗟にそんなことを言うが、もちろんわからない。 答えの検討もつかない。 問題は、  →     → |a|=2、|b|=3、θ=120° → →  →  → a・b=|a||b|cosθ の内積とか意味不明物質を答えるらしい。 あれ? これ日本語で書かれてる? 解析不可能なんだが。 もう教科書先生にぶん投げたいんだが。 「神崎、まだか?」 痺れを切らした先生が言った。 少しイライラしてるのか、チョークで黒板を叩いている。 「あと少しです!」 嘘だが何か? そう思った時、ブー! ブー! と制服のポケットからケータイの振動音が聞こえてきた。 おれはすぐ、先生にばれない様に確認する。 二件同時に着信したようで、一件目は始。 『フヒヒ。結局当てられてるジャマイカ水月ちゃん。こんな基礎問題にも答えられないのはダメダメだぜ。で――』 うん、延々と嫌味が書いてあるだけだから割愛する。 何アイツ、暇なの? 二件目は凰。 『答えは-3。明日からはちゃんと勉強しとけよ』 簡潔な文。 始とは大違いだ。 さすがは凰。主人公体質さすが!
/896ページ

最初のコメントを投稿しよう!