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昔、ウチの家の向かいはまぁまぁ大きな空き地だった。
よく絵里奈と夜になるまで、泥んこになりながらも夢中で遊んだものだ!!
無茶をして怪我をしたり、鬼ごっこや隠れんぼ、思い出がたくさん残っていた。
それも今となっちゃ昔話だが……
しかし、1年ぐらい前に空き地に購入者が現れたらしい。
その時は思い出の場所が潰されると、絵里奈と共に悲しみと悔しさに浸っていた。
でもその結末は分かりきっていたが、1年間という工事が続き、つい最近大豪邸が建ったのだ。
まぁ要するに……わかるだろう。
あんなに広い土地に家を建てる人は、ただ者ではないこと…
俺の思い当たる該当者は1人しかいない。
如月……
俺の心がブルーになりかけてたので、頭を左右に振り思考を停止し、尾行に専念する。
「おっ曲がっていったぞ」
久志は近くの電柱に身を寄せながら、如月達の行方を逃さないように眺めている。
熱心なやつだ!!
そして俺も発見されないように物陰に身を隠す。
「おいっ久志、
お前、頭引っ込めろ!!見つかるぞ!」
もうちょい自覚してほしいもんだ……
「ハァー」
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