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物陰から見てると如月達は突然止まった。
そしてこっちに逆走してきた。
ピンチ!!
俺と久志はもうダッシュで隣の曲がり角へ向かう。
間に合ったか!?
俺達は恐る恐る物陰から如月達の方を覗く。
しかし、そこに彼女らの姿はなかった。
「危なかった…」
すると久志がなんと歩きだし始めたではないか。
「バカっ、今出たら鉢合わせちゃうかもしれないだろ。」
慌てて久志を止める。こいつはホントにアホな奴だ。
「でも行かなきゃ分からなくなっちまうぞ!」
あまりにも久志が真面目に言っているのでたまらず笑ってしまった。
「もしかしたらこの尾行ばれてたのかもな!!」
「何で?」
久志がバカそうな顔をして聞いてくる。
「俺の考え過ぎかもしれないけど…今あいつらはもうそこにはいないと思う。こっちに逆走してきたのは俺達を反対方向に走らせるため。」
「それで?」
「それでって…まぁその隙に向こうは目的地にダッシュみたいな。」
「つまりそこにはいないって言うことだな。海斗の推理は。」
「だから行ってみようって言いたいんだろ。」
久志はその言葉を聞くと歩き始めた。
俺もその後ろに続く。
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