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先生は、そう言って黒板に名前を書いた。
如月雪穂
きらさぎ ゆきほ
如月さんは、先生が名前を書き終わるのを見計らって、自己紹介をし始めた。
「如月雪穂です。
残り2年間ですが、よろしくお願いします。」
そう言って深く頭を下げる。
長い黒髪がバサッと前に流れた時に、
目の前の席の子が幸せそうな顔をしていたのは、言うまでもない。
「「「よろしくー!!」」」
クラスの男子達のシンクロ率が上がった。
「んー
みんな如月と仲良くしていけよ!!
あーあと席は、御影の横な」
と言って俺の横の、誰も居なくなった席を指差す。
その時、俺は彼女の顔が一瞬曇ったのを見逃さなかった。
如月………如月……
ウチのライバル会社……
「っ!!」
向こうも、どうやら、気付いたようだった。
御影という苗字は、珍しいのですぐに分かってしまうだろう……
どうしよう修羅場だ!!
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