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どうやって蓮太郎さんの車を降りたか覚えていない。
気づくと私は自宅の玄関前に立っていた。
あれ、私、蓮太郎さんにサヨナラの挨拶したっけ。
車が発進したの、見送ったっけ。
頭が真っ白で、思い出せない。
だって、そうもなるよ。
あんな、いきなり……。
さっきの出来事が映像となって頭に浮かぶ。
左頬が熱い。
心臓、バクバクいってる。
深呼吸をして、今にも叫びだしそうになる気持ちを落ち着かせようとした。
けど、無理。
何に慌ててるのか自分でも分からないけれど、逸る心をもて余し気味に部屋へ入る。
「~~~っ!」
声にならない声をあげて、ベッドにダイブした。
私、浮かれてる?
蓮太郎さんにキスされて。
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